マシュマロには手を出すな!

アメリカのスタンフォード大学で、
40年以上も前にある実験が行われました。

有名な実験なので知っている人もいるでしょう。

それは「マシュマロ実験」と呼ばれます。

当時4歳の子供たち186人が実験に参加。

教室の一人一人の机の上には
お皿にマシュマロが一つ置いてあります。

実験者は「私はちょっと席を外します。
マシュマロはあげるけど、私が戻ってくる
までの15分間、食べるのを我慢したら
もう一つあげる。でも私が戻ってくるまでに
それを食べたら二つ目はないですよ。」

そう言って教室を出ていきます。

子供達の行動は隠しカメラで記録されました。

すぐに食べた子は少なかったそうですが、
マシュマロの誘惑に耐えきれず、2/3の
子供達はマシュマロを食べてしまいました。

2個目のマシュマロを手に入れることが
できた子は全体の1/3だったそうです。

その後、50年にわたって追跡調査が行われました。

マシュマロを食べるのを我慢した子たちは
その自制心を持続させ、学校の成績が良く、
自尊心が高く、ストレスに強い傾向が見られました。

入りたい大学に行くために
遊ぶのをこらえ、受験勉強するわけです。

そうやって欲しい状況を手に入れます。

しかし今年5月には、自制心ではなく、
子供の社会的、経済的背景に左右される
という研究も発表されています。

つまり子供の自制心の前に、
子供を取り巻く環境が大事である
ということです。

もし裕福な子が自制心が強いとしたら、
目の前の欲望や快楽に走らないように
育てられてきたことが考えられます。

宝くじに当たった人の大半が
その後、同じ経済状態に戻るか、
それより悪化してしまうといいます。

大判振る舞いをしたり、
つまらないことにお金を費やして、
借金を抱えてしまったり、騙されたり。

思わぬ大金を手に入れて、
自制心が効かなくなります。

楽して稼ぎたいとか、
すぐに感情的になってしまったり、
目の前の欲望に我慢しきれない人も同じです。

自分はこれを達成したいから、と
それに集中してコミットできる人、
つまり自制心を持っている人が
ビジネスでもうまくいきます。

毎日1単語ずつ英単語を覚えていけば、
1年も経つと365単語ほど覚えます。

「今日は疲れたから明日にしよう」
と思ってテレビを見てしまうより、

毎日コツコツとやるべきことを
することが大事です。

達成したいことがあるのなら、
目の前の誘惑や衝動に負けるのではなく、
長期的に見据えて、自分を律して
地道に進んでいきましょう。

原田正文