森を見て木を見ない

目標設定しなさい
理想の未来を描きなさい

と言われます。

もちろんそれは大事なんだけど、
今は情報社会で、なんでも情報として手に入ります。

期待の先取りをして、

こうしたい、こういう人生描きたい、
こういう風なライフスタイル歩みたい、
こういう結婚生活したい

とイメージします。

それで、いろんな情報をピックアップして調べて、

これがいいんじゃないか、
これは悪いんじゃないか、

といろいろと勉強します。

いろんな人の話を聞いて調べて、

「こういった事例がありました」
という人の話を聞き、イメージします。

調べて知識が増せば増すほど、

これはこういうものだ、
こうすればうまくいくんじゃないか

と期待がどんどんと上乗せされていきます。

ここからどういうゾーンに入るかというと、

いろんな期待を積み重ねていくと、
その途中経過のイメージはないのですが、
そのゴールは期待通りの絵ができあがります。

鮮明な家だったり、
こうしたらこうなるんじゃないか、という、
ユートピアみたいなのができあがるんですね。

こんなキラキラした未来が待っている。
こうすれば自分は変わるんじゃないか。

とめっちゃ期待して、その妄想に依存します。

これ、自己啓発や願望達成を
学んでいる人が陥りやすいところです。

そうすると、ちょっとした想定外のことに
過敏に反応するようになります。

つまり、成功したイメージだけあって、
成功する過程のイメージがないから、

目の前のすごい愚直なことや
泥臭いことの発想が生まれてこないんです。

例えば、テレアポするとか、
一人一人にメールするとか、

そういうごく普通の面倒くさいことを思いつかない。

何かをやろうとアクションを起こそうとしたとき、
「これ、普通やるでしょ」ということが頭の中にないんですね。

持っているのはバーチャルな知識で、
プロセスをすっ飛ばして、めっちゃ先を描いているから、

おいおい、そこでミスする?
みたいなことが起こってしまいます。

例えば、ワールドカップのことばかり
想像してても、実際、サッカーをしたことない。

いざリフティングをさせようと思ったら、

「え、リフティングって何ですか?できません」
なんてことになるわけですよ。

「え、まじで?」って思いますが、
そういう話になることがよくあります。

超人気企業に勤めるエリートといわれる
優秀な若い人たちが特にそう。

ファンタジーに生きていて、リアリティに生きていません。

だから現実を見誤ります。

そしてファンタジーの要素の方にばっかりに行きます。

面倒臭いことをすっ飛ばして理想に到達しようとするので、

「こうするとお金稼げます」という詐欺にあいます。

期待を先取りするような、
ピースがはまりやすい楽な方に行こうとします。

そして、騙されたり、詐欺にあったり、
お金を失ったりしやすくなります。

この期待の先取りをすればするほど、
失敗するのが怖くなるんですね。

期待の先取りはしても、現実をしっかり見据えて、
愚直にやっていく姿勢も大事です。

原田正文