人は本当に欲しいものを知らない

お客様が欲するものを提供する。

これはマーケティングの基本です。

しかし、そこで止まっていてはいけません。

なぜならお客様は、自分が
欲しいものを知らないからです。

ヘンリー・フォードは言いました。

「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」

と。

当時は馬車が主流でした。

人々はもっと速い馬があれば、
もっと早く目的地にたどり着けるだろう
と思っていました。

お客の声をそのまま聞いていたとしたら、
速い馬を提供することがビジネスになる
と考えます。

しかしもっと掘り下げれば、
速く目的地に到達できるのなら
馬車である必要はないことに気づきます。

ヘンリー・フォードは、人々が
本当に欲しているものは速い馬ではなく、
速く移動できる手段だったということを
見抜いて、それを提供しました。

有名なこの話は、現代では自動車での
移動が当たり前なので、ピンとこない
人もいるかもしれません。

例えば、陸上を車で走っての宅配が
当たり前の時代に、ドローンを使って
いち速く配達するというのも発想の転換です。

ソニーがウォークマンを開発した時も、
Apple社がiPod, iPhone, iPadなど
を開発したのも、潜在的にあったニーズを
形にしています。

今の時代は今まで以上に
あらゆることが刻々と変化しています。

過去うまくいったことに固執していると
反対にそれがあだになりかねません。

すでにいらなくなったもの、
機能しなくなっているもの、
陳腐化してしまったものなどは、
さっさと手放しましょう。

過去の成功にしがみついていると
時代に取り残されていきます。

成功さえ手放して身軽になることで、
自由な新しい発想が得られます。

そんなマインドで、
お客様が気づいていないニーズを
カタチにすることで、満足して
いただけるものが提供できます。

原田正文