情けは人の為ならず

人生で得られるものは、
大まかに分ければ、二つあります。

それは

短期的に得られるものと
中長期的に得られるもの

です。

僕たちは結果重視のところが
ありますので、何かと短期的に
結果が出ることがいいことのように考えます。

結果が出ないとつい、

やり方が間違ってるんじゃないか?
自分が劣っているんじゃないか?

と考えてしまいがちです。

例えば、植物の種をまいて、
2〜3日で芽を出してすぐに育って
1ヶ月後には花咲くものもあれば、

芽が出るまでに1ヶ月ぐらいかかって
それから大きくなるのに、半年とか、
10年とかかかるものもあるわけです。

日頃、一生懸命にやっているし、
早く結果が欲しいものだから、
1ヶ月後とか、1年後とか、
短期的に物事を見てしまいがちです。

でも例えば、職人さんの仕事など
早くできればいいってものではなく、
それなりの経験が積み重なっていくことで
すごく質も味が出てきます。

もし何かを20年、30年かけてするとしたら、
それは全部、自分の経験、糧となって
積み重なっていきます。

だから、
早く結果が出る方がすごい
とかではなく、

なかなか芽が出ないけど、
長い目で見たら、すごくいい仕事を
しているなんてこともあります。

人間国宝になる人なんて、何十年も
その専門で経験を積んできたからこそ、
国宝になれるわけです。

人生には、自分が考えてきたこと、
やってきたことが結果として与えられます。

もちろん、早く稼ぎたいとか、
成功したいとか、ゆっくりするより
スピート感とともにどんどんと
進んでいったがいいこともあります。

けれども同時に結果を顧みず、
地道にやっていくことも大事です。

短期的に育つ種を植え続けて収穫して、
でもその方法に飽きがきたり、
なんか違和感を感じ始めたり、
行き詰まったように感じるんだったら、
逆のことををしてみるといいでしょう。

つまり、中長期的でないと
結果が出ないことをしてみる。

その種、植えたところでいつ花咲くの?
別に関係ないんじゃないか?
無駄じゃないの?

と思えることをやった瞬間に
別のものがやってきます。

一回成功するとずっとそこに
しがみつきたくなりますが、

全く違うことも経験することで
新しい視点が生まれます。

すぐに結果が出ることで成功してきた人は、

すぐに結果が出ないことを
することに苛立ったり、
不安や無意味さを感じます。

でも自分にとって利益がなかったり、
メリットがなさそうに思えること
をあえてやってみるといいでしょう。

無償奉仕しなさいとか、
人に尽くしなさい、与えなさい

とよく言います。

情けは人の為ならず

という諺もあります。

チャチャッとやって結果が出るものでなく、
切った張ったのトレードオフではなく、

もっと本質的なものや、
自分が与えると喜ばれることをしてみましょう。

それが今すぐ結果が出ないものであっても、
こちらが一方的にしていることであっても、

巡り巡って自分に返ってきます。

それはすぐにではないかもしれないし、
同じところから返ってくるとは限りません。

けれども陰徳として積まれていきます。

目の前の、自分が、自分が、
と思うこともあるけれど、

ちょっと視点を変えて
逆の方向を見てみるといいです。

中長期的なタネを植えることで、
ちょっと違った一面が見えたり、

新しい気づきや、そこで出会った人
とのご縁で人生が好転していきます。

どこでどうつながっていくかは
わからないです。

一期一会を大切にしていると、
全く思いもしない面白い展開に
なることもあります。

原田正文